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【ETC Nomad入門ブログ vol.3】まずはディマーのパッチから

前回Nomadのセットアップの仕方を紹介しました。今回は実際に灯体をパッチする方法を紹介します。
Nomadはディマー*1やLED灯体、ムービングライトなど、幅広い灯体を操作することができます。灯体を操作するためにDMXアドレスと卓のチャンネル、灯体の機種・モードを設定する作業がパッチです。Nomadではすべての灯体はパッチされたチャンネル番号に基づいて操作することになります。今回はひとまず1つのアドレスしか使わないディマーパッチの仕方を紹介します。

1対1パッチ

そもそも、一般照明しか使わず、調光器のDMXアドレスも1から順番になっていて、卓のチャンネルもその順番でいいという場合もあると思います。そういう場合は1対1パッチの機能を使うと簡単です。
画面右下のファイル、終了、セットアップなどと表示されている部分*2クリアをダブルクリックし、出てきたボタンの中から1対1パッチを選びます。下の写真で線で囲んだところにクリアがあります。
f:id:appleflourbutter:20191115201152p:plain パッチをリセットするかどうか聞かれるので、OKを押すと、1対1パッチが完了します。1対1パッチではチャンネル1にDMXアドレス1、チャンネル2にDMXアドレス2というように、チャンネルと同じ番号のDMXアドレスが順番にパッチされます。つまり、チャンネル1をフルにすればアドレス1のディマーがフルになり、灯体が点灯する状態です。
パッチの結果を確かめるためにはパッチタブを開きます。パッチタブが見つからないときは+から新しく開いてください。

ディマーのパッチ

では、ディマーのパッチを変える、あるいは新しくディマーをパッチするにはどうすればいいのでしょうか。
まずはパッチタブを開きます。そうするとチャンネル、アドレス、タイプが1番からずらりと並んだ画面が開きます。
f:id:appleflourbutter:20191115204339p:plain

「パッチ チャンネル」と「パッチ アドレス」

上の画像では左からチャンネル、アドレス、タイプの順番に並んでいますが、これはF4キーのフォーマットボタンを押すことで入れ替えることができ、パッチをする際の操作にも影響します。チャンネルに対してアドレスを指定するのがパッチ チャンネル、アドレスに対してチャンネルを指定するのがパッチ アドレスです。 パッチ チャンネルのほうが直感的だと思うので、このブログではパッチ チャンネルでパッチしていきます。

コマンドでパッチする

例えば、チャンネル17にアドレス35をパッチする場合は次にようにコマンドを打ち込みます。かっこ内がNomadのキーボードショートカットです。

17 アドレス(A) 35 (Enter)

数字の17、Aのキー、35、そしてエンターを押すとチャンネル17にアドレス35がパッチされます。
複数のチャンネルに連続するアドレスを順番にパッチするときは

12 スルー(T) 15 アドレス(A) 23 (Enter)

と打ち込むことでチャンネル12にアドレス23、13に24、14に25、15に26のようにパッチすることが可能です。スルーはチャンネルの操作でも便利なコマンドなので、これから何度も出てきます。
間違ったアドレスをパッチしてしまった場合は、削除コマンドを使います。

22 削除(del) (Enter)

このコマンドでチャンネル22にパッチされた内容が削除されます。
今回はコンベンショナルライトのパッチの仕方を紹介しました。次回はLED灯体やムービングライトなど、複数のアドレスを使う灯体のパッチの仕方を説明します。

*1:調光器とそれにつながった一般照明の灯体のことを指します

*2:CIAと呼ばれています